



自分の物ではないけれど、「車を売ってくれないか?」と頼まれるとどうしてよいのかわからなくなりますよね。
「そもそも、車の所有者が自分ではないけど売れるの?」
「どういった手順で進めていけばいいの?」
という疑問が生じると思います。
この記事ではそんなあなたに本人以外の方が車を売却する際にどういった手順で行動していけばよいのか順番にお伝えしていきます。
この記事でわかること
- 車の所有者でない人が売ることはできるのか?
- 車の所有者以外の人が車を売る方法
- どのような手続きを行えばよいのか具体的な手順
車の売却は本人以外でも出来ます!
結論から言いますと、本人以外の方でも車の売却はできます。
なぜなら、どうしても本人が車の売却をできない状態にあった場合、他の人が代わりに売ることができなければ困るケースがあるからです。
例えば、車の所有者が亡くなってしまった場合。
本人しか車の売却ができないとなれば、永久に処分できない事になってしまいます。
それって残された家族にとっては不都合なことですよね。
このような事態を避けるために、代理人という立場で他の人が代わりに車を売ることができるワケです。


代理人として書類をそろえることで、車を売るための手続きを進めることができます。
代理人(本人以外)が車を売却する流れ
本人以外が車を売るための流れは以下の通りです。
- 必要な書類を準備する
- 車の買取業者に連絡する
- 車を売却する
必要な書類を準備する
まず、取引に必要な書類を用意しましょう。
代理人が車を売却する場合、代理人として準備する書類と車を売却する際に必要な書類に分けて考えると理解しやすくなります。
代理人として必要な書類
代理人として必要な書類
- 委任状
- 所有者の印鑑証明書
- 本人確認ができる物(免許証など)
一つずつ順にご説明いたします。
委任状
委任状とは「車の所有者が代理人に車の売却を正式に許可し、代理人がそれを了承した」ことを証明する書類です。車の所有者の実印が必要となります。
この委任状がないと、代理で車を売ることができないので最も重要な書類といえます。
委任状は自分で手書きでかいたり、パソコンで作成することができます。
所有者の印鑑証明書
印鑑証明書は正式には印鑑登録証明書といいます。
登録した印鑑が本人のものと結びついていると証明できる書類になります。
所有者の印鑑証明書は委任状に捺印された実印が名義人本人のものであることを証明するために必要です。
代理人の印鑑証明書ではなく、車の所有者の印鑑証明書が必要である点に注意してください。
車の所有者が近くにいない場合は連絡を取ってあらかじめ準備しておくとよいでしょう。
印鑑証明書は登録した市役所や区役所で発行してもらえます。
本人確認ができる物
最後に、代理人があなた本人であることを確認できる身分証明書を用意する必要があります。
具体的には運転免許証やマイナンバーカード、パスポートなど顔と名前、現住所が確認できるものであればOKです。(運転免許証などに記載されてる住所と現住所が違う場合は住民票などを別に用意する必要があります。)


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車を売却するために必要な書類
代理人が用意する書類が揃ったら、あとは普通の車売却の際に所有者が用意する書類を準備すればOKです。
その書類は次の6つです。
車の売却に必要な6つの書類
- 車検証
- 自賠責保険の納税証明書
- 自動車税納税証明書
- 譲渡証明書
- 委任状
- 印鑑登録証明書
それぞれ詳しくお伝えします。
車検証
正式には「自動車検査証」といいます。
法的な点検を行い、その車が道路を走行するのに安全であると証明された書類です。
車検証には車の所有者が誰なのか、記載する項目があります。
「車を売却する」とは言い換えると、車の所有者が変更になるという事。

車検証は大半の方が車の助手席前にあるダッシュボードに保管していると思います。
もし、なくしてしまったら車の買取ができないので、ナンバーを登録した運輸支局に行き再発行してもらいましょう。
自賠責保険の納税証明書
自賠責保険料を支払ったことを証明する書類で正式には「自動車損害賠償責任保険証明書」といいます。

車検証と一緒にダッシュボードに保管してあるケースが多いようです。
もし失くしてしまったという方は加入している保険会社に連絡することで再発行してもらえます。
自動車税納税証明書
自動車税納税証明書とは車の所有者が1年に1回支払う自動車税をきちんと支払っていることを証明する書類です。
自動車税が未納のままだと車の名義変更ができないため、結果的に車の売却ができないということになります。

もし自動車税納税証明書が見当たらないという方は、車のナンバー登録を行った運輸支局で再発行が可能です。
譲渡証明書
譲渡証明書とは車の所有者が変わる際に、旧所有者から新しい所有者へ車を譲渡することを証明するものです。

譲渡証明書は車を買取ってくれる業者が用意してくれるケースがほとんどです。
委任状
先ほども委任状についてお伝えしましたが、この委任状は代理人であるあなたが車の買取業者に車の売却を委任することを証明するための委任状となります。
つまり、
- 車の所有者から代理人であるあなたへ売却を許可した委任状
- 代理人のあなたが車の買取業者に売却を許可した委任状
この二つの委任状が必要になります。
「代理人のあなたが車の買取業者に売却を許可した委任状」はあなたの実印が押されたものでなくてはいけません。
印鑑登録証明書
上記で「代理人のあなたが車の買取業者に売却を許可した委任状」が必要であるとお伝えしましたが、その委任状の実印があなたの物であると証明するために印鑑登録証明書が必要になります。

印鑑登録をおこなった市役所や区役所で発行してもらえます。
以上が代理人が車を売る場合に必要な書類となります。




委任状の書き方


委任状は
- 車の所有者から代理人であるあなたへ売却を許可した委任状
- 代理人のあなたが車の買取業者に売却を許可した委任状
この2種類が必要です。
まず車の所有者から代理人であるあなたへ売却を許可した委任状には次の項目を記載しなければいけません。
- あなた(受任者)の氏名・住所
- 車の所有者(委任者)の氏名・住所
- 車の所有者(委任者)の実印
- 自動車登録番号または車台番号
- 所有者(委任者)が「車の売却を受任者に依頼する」という趣旨の文面
具体的な記載例は以下の通りです。



次に代理人のあなたが車の買取業者に売却を許可した委任状の書き方をお伝えします。
記載例は以下の通りです。







http://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_fr1_000033.html
このページの中にある各種様式から「委任状」をクリックすると以下のようなページが開きます。
イラストページを開いた状態でキーボードの左下にある「Ctrl」と書かれたキーを押しながら「P」を押すと印刷画面が表示されます。
もしくは画面右上にあるプリンターのマークをクリックすると印刷画面が表示されます。



車の買取業者に連絡する



車を買い取ってくれるところは主に次の2つです。
ポイント
- 特定の自動車メーカーを専門に販売しているお店
- 中古車買い取りを行っているお店
1番目のお店をディーラーと呼びます。
ディーラーは新しい車の販売を条件に古い車を引き取ってもらうことが基本となります。
これを下取りといいます。
2番目の中古車買い取りを行っているお店はいわゆる中古車販売店のことだとイメージしてもらえればOKです。












車を売却する
車を買い取ってくれる業者が決まったら、これまでそろえた書類の提出をお願いされると思いますので、不備がないかチェックして車と共に引き渡します。



もし書類について分からなくなったら依頼した買取業者にたずねてみてください。
買取りのプロなのでどうすれいいのか教えてくれますよ。
名義人がこんなケースの場合どうする?


ローン会社名義の車を売却する場合
自動車検査証(車検証)の名義人の欄がローン会社もしくはクレジット会社の名前になっている場合、勝手に車を売却することはできません。
なぜなら、ローンがまだ残っているので、法律上あなたの車ではないからです。


- 車を買取ってもらう前にローンを返済する
- 車を買取ってもらう代金でローンを返済する
それぞれ詳しくお伝えします。
車を買取ってもらう前にローンを返済する
【車を買取ってもらう前にローンを返済する手順】



これを所有権の解除といいます。
ローンが完済されるとローン会社から名義変更のための書類が届くので、手続きを済ませて初めて名義人(車の所有者)が変更になります。


車を買取ってもらう代金(売却代金)でローンを返済する
【車を売却した代金でローンを返済する手順】



具体的には次の準備が必要になります。
- ローンがいくら残っているのか確認する
- 車の査定額を調べてもらう
- ローン会社に車を売却した代金でローンを支払いたいと連絡する
例えば、車のローンがあと100万円残っていたとします。
このとき、車の買取額が120万円だった場合ローン会社に連絡し、ローンを返済でき、かつ手元に20万円残ります。

仮に80万円だった場合、残り20万円が足りないので、その分を現金で支払うか、新たにローンを組み直すといった対処が必要になります。



ローンが残っている車を売却するためには、ローンをきちんと返済して所有権の解除を行ってから車の買取依頼に出すのが基本です。
そのためにも
ポイント
- ローンがあといくら残っているのか
- 車をいくらで買い取ってもらえるのか
この2点をきちんと把握しておきましょう。
また、ローンが残っている車を売却したい場合は必ずローン会社と車の買取業者に連絡して、どうすればよいのか具体的な指示を受けるようにしましょう。
まとめ
今回のまとめです。
ポイント
- 車の売却は本人以外でも可能
- 代理人として準備する書類と車を売却するための書類が必要
- 書類が揃ったら買取業者に連絡する
- 車を売却するなら中古車買い取り業者が高く買い取ってくれる
本人以外の方が車を売却するのは正直面倒くさいです(汗)
できれば事前に名義変更を行っておくのが望ましいのですが、それができない場合はここまでお伝えしたことを一つずつ実行してみてください。