車での移動が多い方にとって、アイドリング状態で車内にいる経験は多いと思います。
涼しい季節は良いのですが、夏や冬ではエアコンを使わないと厳しい環境になってしまいます。
特に夏は暑いので、エアコンなしではなかなか大変です(;^ω^)
「できれば、エアコンをガンガン使いたい。。」
そう思っても、バッテリーのことが気になると思います。
アイドリング状態でエアコンを使い続けるとバッテリーが上がると聞いたことがあると思いますが、本当なのでしょうか?
その疑問にお答えすると共に、アイドリングやバッテリーの事についてもわかりやすくお伝えしていきます。
この記事を読むことで、不必要にバッテリーのことを気にしたり、バッテリー上がりのトラブルを回避できるようになります。
アイドリング状態でエアコンをつけっぱなしにしてもすぐにバッテリーが上がることはありません!
アイドリング状態でエアコンをつけるとバッテリーが上がるのか?
この疑問にお答えすると、すぐにバッテリーが上がってしまうということはまずありえません。
なぜなら、アイドリング状態でもバッテリーは充電されているからです。
バッテリーが十分に充電されており、劣化していなければエアコンをつけた状態でも大丈夫です。
では、実際に「何時間くらいエアコンをつけていても大丈夫なのか?」
その疑問にお答えするために計算してみました。
詳しくはコチラ
⇒何時間くらいならエアコンをつけていても大丈夫なのか計算した結果…
ただし、充電されているからといって、永遠に大丈夫という事でもありません。
アイドリングを続けているといつかバッテリーの充電はなくなってしまいます。
つまり、すぐにはバッテリー上がりにはならないけど、何十時間もアイドリング状態でエアコンを使うといつかはバッテリー上がりになってしまうと言えます。
車のバッテリーが充電される仕組み
車にはバッテリ-と呼ばれる大きな電池が積まれています。
このバッテリーは通常エンジンが作動する際に充電されます。
エンジンが動くと、ベルトでつながれているオルタネーター(発電機)と呼ばれる部品も一緒に作動し発電します。
その後、発電した電気がバッテリーに蓄積されるというわけです。
アイドリング状態でもエンジンは動いているため発電はされますが、走行時と比べるとエンジンの回転数が低いため発電量は少なくなります。
エンジン | 走行時 | アイドリング状態 |
発電量 | 多い | 少ない |
このため、バッテリーを満タンに充電させるためには少なくとも30分以上は走行する必要があります。
これは、私がバッテリーが上がってしまってディーラーにお世話になった時にいただいたアドバイスです。
完全に放電してしまい、バッテリーの電力がカラになってしまった状態であれば
「30分ほどエンジンを切らずに運転してください。」
そう言われました。
バッテリーが上がってしまった場合の対処法について詳しくはコチラを参考にしてみてください。
-
バッテリー上がりでディーラーを呼ぶのはOK?実際に呼んでみた!
続きを見る
アイドリングでもバッテリーが上がってしまう場合
アイドリング状態でも充電はされます。
しかし、それでもバッテリーが上がってしまうのは単純に、電気の使用量が発電量を上回ってしまい、バッテリーの電気もすべて使い切ってしまうからです。
使用量 > 充電量 ⇒ バッテリー切れ
これまでお伝えしてきたように、アイドリング状態では走行中と比較して充電される電気が少ないため、電気の消費が激しい状態だとすぐにバッテリーの充電がなくなってしまうわけです。
【 電気の使用量が多くなるケース 】
- エアコンを使用する
- ライトのつけっぱなし
- カーステレオの使用
- テレビやカーナビの使用
走行中であれば、これらの電気製品を使用しても発電量が多いため、問題ありません。
しかし、アイドリング状態でこれらの電気製品を長時間しようすると、使用量が発電量を上回り、最終的にはバッテリーの電気もすべて使い切ってしまうことになるわけです。
中でも、一番多く電気を消耗するのがエアコンです。
真夏の暑い日に低い温度設定をすれば、その分エネルギーを必要とするため、電気をガンガン消費します。
なので、アイドリング状態でエアコンをつけっぱなしにして、なおかつテレビやオーディオを使うという状態を何時間も続けるとかなりの電気を使っていると認識すべきです。
エンジンがかかっているなら問題ないのですが、一度エンジンを切ると、バッテリーが上がってしまった場合、うんともすんとも言わなくなってしまいます(-_-;)
防止策としては、バッテリーの充電がなくなる前に運転して新たに電気を蓄える必要があります。
実際に何時間くらいならエアコンをつけていても大丈夫なのか計算した結果…。
では、具体的にエアコンをつけた状態で何時間ほどバッテリーが持つのでしょうか。
実際に計算してみました。
アイドリング状態でエアコンを使用していない場合のガソリンの消費量
まず、JAFのHPから得たこちらの情報を元に考えてみます。
車は、停止中でもエンジンがかかっていれば燃料を消費します。10分間のアイドリングで約130cc程度の燃料を使います。
走行していなければムダな消費ですので、停止しているのであればエンジンをとめるように心がけましょう。
引用元:http://www.jaf.or.jp/eco-safety/eco/ecodrive/drive/03_4.htm
10分間で約130cc消費するため、
1時間(60分)だと130×6=780cc(0.78L)ガソリンを使うことになります。
仮に普通自動車の場合、ガソリンタンクの容量が60Lだったとすると、
60÷0.78=76.9時間となります。
計算上では、ガソリン満タンだと約77時間使用できることになりますね。
ただし、この計算はエアコンを使っていない条件での結果です。
この結果を元に、次にアイドリング状態でかつエアコンを使用している条件で計算してみます。
アイドリング状態でエアコンを使用している場合のガソリンの消費量
アイドリング状態でエアコンを使うと、1.3倍~1.4倍の消費量になると言われています。
ここでは仮に1.4倍になったとします。
この場合、1時間で780cc(0.78L)の使用量が
0.78×1.4=1.092(L)となります。
つまり、アイドリング状態でエアコンを使った場合、1時間で約1.1Lガソリンを消費することになります。
仮に普通自動車の場合、ガソリンタンクの容量が60Lだったとすると、
60÷1.1=54.5時間となります。
つまり、アイドリング状態でエアコンを使用していた場合、54.5時間使用できることになります。
計算した結果
【アイドリング状態】
エアコン使用していない | エアコン使用している | |
普通自動車(60L) | 76.9時間 | 54.5時間 |
軽自動車(35L) | 44.8時間 | 31.8時間 |
※ 軽自動車のタンクの容量は35Lで計算しています。
計算してみると数十時間はエアコンをつけた状態でも大丈夫だとわかりました。
ただし、これは満タンのガソリンがなくなるまでアイドリング状態を続けたという条件の元で計算しています。
理論上エンジンが動くことができる時間というわけです。
その間はオルタネーターが作動しているわけなので、エアコンは動くことになります。
ココに注意
エアコンは動いていても、バッテリーの充電が十分にされているとは限りません。
エンジンが動くことでオルタネーターから発電されているわけですが、使用量が発電量を上回っている状態であれば、バッテリーの電力は少なくなっている可能性があります。
つまり、エンジンを切った後、もう一度かかるとは限らないということです。
計算上、ガソリンが入っていればエアコンは使えますが、充電がなくなっている可能性は十分に考えられます。
よって、長時間のアイドリングの後は車を走らせバッテリーを充電させることをおすすめします。
アイドリングは基本的にNG!環境にも車にも良くない!
- アイドリングでエアコンを使用してもすぐにバッテリー上がりにはならない
- エンジンを動かすことでオルタネーターが作動し、バッテリーに充電される
- アイドリングは走行中と比べて発電量が少ない
- 使用量>発電量の状態になるとバッテリーの電力を消耗し、バッテリーが上がってしまう
- ガソリンが満タンだとアイドリング状態でもエアコンは数十時間使用できる
- 長時間アイドリング状態であれば、車を走らせて充電させること
バッテリーやオルタネーターの性能が上がっているおかげで、アイドリング状態でもエアコンを使用していてもすぐにバッテリーが上がることはほぼありえません。
しかし、だからといってアイドリングが良いという事でもありません(;^ω^)
最後に、アイドリングは基本的にNGということをお伝えします。
車は元々走る乗り物として使用されるべきです。
長時間、停車しているのにエンジンをかけておくのはガソリンがもったいないですし、エンジンなど車の部品にも負担をかけることになります。
コンビニなどではアイドリングストップという看板を見かけますよね?
騒音として周りに迷惑をかける行為になるわけです。
「そんなのわかってるよ!」
そう思われているかもしれませんが、私も含めて夏の暑い日にはついエアコンを入れたままで駐車したりしてしまいます(汗)
「ちょっとだけだし、自分くらい良いだろう」
皆さん、そのような気持ちでアイドリングしているのではないでしょうか。
短い時間であればそれほど問題ではありませんが、長時間のアイドリングは環境にも車にも良くないため、控えるようにしましょう。
そして、アイドリング状態が長かったのであれば、車を走らせてバッテリーを充電させることをお忘れなく!
車にも環境にも優しい運転を心がけましょう(^^)