「車のバッテリーが上がりそうだから充電したい…。」
このような場合、すぐに充電しなければバッテリーが上がってエンジンがかからなくなってしまいます。
でも、車を走らせるのは面倒だし、できればその場でエンジンをつけて充電できないか。
そう考える方もいらっしゃると思います。
そこで気になるのが「車のバッテリーは空ぶかしすることで充電されるのか?」ということ。
普通にエンジンをつけてアイドリング状態よりも充電効率が良さそうな感じですが、実際のところはどうなのでしょうか?
この記事ではこのような疑問にお答えします。
車のバッテリーは空ぶかしでも充電できます
結論から申し上げると、車のバッテリー充電は空ぶかしでもできます。
なぜなら、空ぶかしでもエンジンがかかっており、発電されているからです。
実は充電だけを目的とするのであれば、車が走っているかどうかはそれほど重要ではありません。
大事なポイントは次の3つです。
- エンジンが動いている
- オルタネーター(発電機)が動いている
- 回転数が確保されている
エンジンが動くことによってオルタネーターとよばれる発電機がベルトを介して動き出します。
さらに、エンジンの回転数が高いほどオルタネーターも活発に動く為、より多くの発電ができる仕組みになっています。
このようにエンジンが動いていれば、自動的にバッテリーに充電されていきます。
空ぶかしをするということは、エンジンが動いていることが前提のため、徐々に充電されていくことになります。
空ぶかしのやり方
では、実際に空ぶかしで充電するためにはどのようにすればよいのでしょうか。
具体的な手順をお伝えします。
簡単にいうと停車中にアクセルを踏めばOKです。
AT(オートマチックトランスミッション)車の場合
- 周りに人や物がないか確認する
- ギアを「P」もしくは「N」に入れる
- サイドブレーキが掛かっているか確認する
- ゆっくりアクセルを踏む
- 2,000回転に上がるまでアクセルを踏む
MT(マニュアルトランスミッション)車の場合
- 周りに人や物がないか確認する
- ギアを「N」に入れるか、クラッチを切った状態にする
- サイドブレーキが掛かっているか確認する
- ゆっくりアクセルを踏む
- 2,000回転になるまでアクセルを踏む
どちらも、メーターがこのような状態になっていれば空ぶかしができています。
エンジンが「ヴォーン」となっている音が聞こえればOKです。
この音は回転数が上がっている状態なので、アイドリングの時よりも発電量が上がっているはずです。
以上が空ぶかしの方法です。
空ぶかしは停車した状態でエンジンの回転数を上げることになります。
しかし、同じように走行する際にもエンジンの回転数は自然とあがります。
どちらが良いのかと言うと、走行した方がよいです。
空ぶかしは騒音や排気ガスが出るため、近隣に迷惑をかける行為になります。
エンジンにも負担がかかります。
つまり、長時間空ぶかしする位なら、車を運転して走らせましょうということです。
走行した方が充電効率もあがりますし、車や環境にも優しいと言えますね。
長時間使用しない車のバッテリー上がりを防ぐ3つの方法
もしあなたの車がバッテリーが上がりそうな状態だとすれば、長い間使用していないことが原因かもしれません。
バッテリーは運転していないと自然に放電していくため、定期的にエンジンを動かしてあげる必要があります。
そうしないと久しぶりに運転しようとした際に、バッテリー上がりでエンジンがかからない事になってしまいます(;^ω^)
ここではそのような事態にならないように3つの防止策をお伝えします。
- アイドリング状態にする
- 端子を外す
- ガソリンスタンドなどで充電してもらう
アイドリング状態にする
運転はしなくても、エンジンをかけることで充電されます。
よって、定期的にエンジンをかけてアイドリング状態を保つようにしましょう。
できれば週に1回、30分~1時間エンジンをかけることをおすすめします。
ココに注意
アイドリング状態にする場合にはエアコンやライトなどの電気機器は使わないようにしましょう。
電気を使用するものを使っているとその分に発電した電力が使われてしまいますので、充電の効率が悪くなります。
-(マイナス)端子を外す
しばらくの間運転することがないのであれば、バッテリーにつながっている端子を外しておくことをおすすめします。
端子を外すことで車の電流回路を遮断することができ、余計な電力の消耗を防ぐことができます。
よってバッテリーが長持ちするメリットになります。
端子の外し方
ボンネットを開けると、バッテリーがあります。
こちらの赤いキャップがついている方が+(プラス)端子なので、もう片方の端子を外します。
レンチがないと外せないのであらかじめ用意しておきましょう。
ガソリンスタンドで充電してもらう
しばらく動かさないのであれば、ガソリンスタンドで充電チェックしてもらいましょう。
もし足りていないのであれば、充電をお願いしてみてください。
さきほど「-(マイナス)端子を外しておけば電流回路を遮断するので、余計な電力は使用しない」とお伝えしましたが、バッテリー本体が自然放電してしまうため、完全に電力の流出をゼロにすることができません。
よって、放電が進んでしまったバッテリーはまず電力が残っているのかを調べてもらってから、充電するようにしましょう。
バッテリーの交換をすすめられるかもしれませんが、しばらく乗らない車にそこまでする必要はありません。
充電させてもらえないのであれば、別のガソリンスタンドやカー用品店などに相談してみて下さい。
充電するだけなら3,000円程度でやってくれるはずです。
ただし、充電が完了するには長い時間(6時間以上)かかることがあるので、確認しておきましょう。
バッテリーが上がってしまった場合の3つの対処法
ここまで、バッテリーが上がらないように充電する方法についてお伝えしてきましたが、それでもバッテリーが上がってしまうことがあるかもしれません。
もし、そうなってしまったとしても慌てずに対処できる3つの方法をここではお伝えします。
- ロードサービスを呼ぶ
- ブースターケーブルを用いてエンジンをかける
- ジャンプスターターを使ってエンジンをかける
ロードサービスを呼ぶ
もしあなたがJAFの会員であれば、バッテリーのトラブルには無料で対応してくれますので、積極的に利用しましょう。
JAFの会員でなくても、任意の自動車保険でトラブル対応のサービスに加入していれば駆けつけてもらうことができるので、調べてみましょう。
例えば、東京海上日動保険の「ロードアシスト」というサービスであれば、バッテリー上がりにも対応してくれます。
最近は自動車保険にもこのようなサービスがついていることがあるので利用すべきですね。
ブースターケーブルを用いてエンジンをかける
JAFなどのロードサービスが利用できない場合でも、ブースターケーブルを使って他の車からバッテリーへ電気をもらうことができれば、エンジンをかけることができます。
このようなケーブルをブースターケーブルと言います。
バッテリーのプラスとマイナスの端子同士をつなげるためのケーブルです。
ブースターケーブルを利用するためには救援車が必要になります。
救援車とは「正常にエンジンがかかる状態の車」のこと。
つまり、他の車から電気を分けてもらい、その力を利用してバッテリーを動かすわけです。
近くにいる方や知り合いの方を呼んで、車を持ってきてもらう必要があります。
もし、救援車が見つかったら、
以下の手順でケーブルをつないでいきます。
ステップ①:赤いケーブルをバッテリーが上がっている方のプラス端子にをつなぐ
ステップ②:赤いケーブルのもう一端を救援車側のプラス端子につなぐ
ステップ③:黒いケーブルを救援車側のマイナス端子につなぐ
ステップ④:黒いケーブルのもう一端をバッテリーが上がっている方のマイナス端子につなぐ
ここまで出来たら、救援車のエンジンをかけます。
1分程度まって、今度はバッテリーが上がっている車のエンジンをかけます。
正しく接続できていれば、エンジンが始動するはずです。
エンジンが掛かったら、すぐに切らずにしばらくアイドリングや車を走らせて充電するようにしましょう。
ジャンプスターターを使ってエンジンをかける
1人でバッテリー上がりを解決するならこの「ジャンプスターターを使ってエンジンをかける」方法がおすすめです。
ジャンプスターターとは、接続するだけでエンジンがかかるアイテムのことです。
車に詳しくない方でも簡単に利用できます。
なにしろ接続してエンジンをかけるだけでOKなので、誰にも迷惑をかけずに問題を解決できます(^^)
価格もそれほど高くなく5,000円ほどで手に入るため1台持っておくと便利ですね。
お近くにカー用品店などがあれば買ってきて使った方がJAFを呼んだり、救援車を探すより早いかもしれません。
バッテリーが上がってしまった時の対応についてはコチラの記事でより詳しくお伝えしています。
実際にディーラーを呼んで対応してもらいました(-_-;)
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バッテリー上がりでディーラーを呼ぶのはOK?実際に呼んでみた!
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【まとめ】空ぶかしはエンジンへの負担が大きいためおすすめできない
ここまで、空ぶかしに関する充電の方法やバッテリー上がり対策についてお伝えしてきました。
もう一度おさらいすると、バッテリーの充電は空ぶかしでもできます。
ある程度回転数を確保しないと効率の悪い充電になってしまうため、アイドリング状態で空ぶかしすることで回転数をあげてより発電量を多くしてあげた方が良いわけです。
しかし、バッテリーを十分に充電させるためには長時間の空ぶかしが必要になってきます。
空ぶかしは正直、排気ガスや騒音が発生するため近隣に迷惑となる可能性があります。
アイドリングでも禁止している場所があるくらいなので、長時間空ぶかしするのは例え自宅内であっても、やめた方が良いでしょう。
充電を行うという目的であれば、空ぶかしをするよりも通常通り走行することが一番です。
運転することでエンジンの回転数も自然と上がっていきますし、空ぶかしよりもずっと車にとって良いわけです。
車は本来、人や物をのせて走るための物。
空ぶかしするのは一時的な充電のために利用し、それ以外では環境面やエンジンの負担になるため控えることをおすすめします。